気虚不固とは

気虚不固(ききょふこ)とは、気虚により固摂(こせつ)作用が低下し、体内の津液・血・精などを保持できなくなった状態を指す病機です。
気には「固摂作用(漏れを防ぐ働き)」があり、これが弱まると汗・尿・血・精などが過度に漏出します。


主な原因

  • 久病耗気 慢性疾患による気の消耗。
  • 過労・過思: 脾気の損傷。
  • 大病後・産後: 正気未復。
  • 先天不足: 気の基礎的虚弱。

病理機転

  • 気虚により固摂作用が低下。
  • 汗・血・津液・精の漏出。
  • 脾肺の気虚が主体となることが多い。
  • 進行すると気血両虚・陽虚へ発展。

主な症状

  • 自汗(動くと汗が出る)
  • 慢性下痢・軟便
  • 頻尿・遺尿
  • 不正出血・過多月経
  • 遺精・早漏
  • 倦怠感・易疲労
  • 声が小さい

舌・脈の所見

  • 舌:淡・胖大
  • 脈:虚弱・細弱

関連する証型


代表的な方剤

  • 玉屏風散: 表虚自汗。
  • 補中益気湯 中気下陥傾向。
  • 固経丸: 気虚出血。
  • 金鎖固精丸: 腎気不固。

治法

  • 益気固表 汗の漏出を止める。
  • 補気固摂 漏れを防ぐ。
  • 健脾補肺: 気の源を整える。

養生の考え方

  • 過労を避け、十分な休養を取る。
  • 冷飲・過度な発汗を避ける。
  • 消化に良い温性食を中心にする。
  • 体力回復を優先する生活。

まとめ

気虚不固は、気虚による固摂機能低下の病機であり、体液や精血の漏出が主症です。
治療では補気を基本とし、固摂を強化することが重要となります。

0 件のコメント:

コメントを投稿