三焦は「上・中・下焦」を総括し、気機の通調と水液の運行(水道)を主る臓腑とされます。
独立した病証は多くありませんが、各焦における気機や水液代謝の失調を中心に弁証されます。
三焦の主な弁証
- 三焦気滞(さんしょうきたい): 三焦の気機が阻滞し、胸脇脹満・腹部膨満・小便不利などを示す。
- 三焦湿熱(さんしょうしつねつ): 湿熱が三焦に停滞し、発熱・口渇・小便短赤・黄疸・下痢など。
- 上焦不利(じょうしょうふり): 肺の宣発粛降が失調し、咳嗽・痰多・胸悶・浮腫を呈する。
- 中焦不和(ちゅうしょうふわ): 脾胃の運化が失調し、食欲不振・腹満・下痢・倦怠感。
- 下焦不利(かしょうふり): 膀胱・腎の気化作用が失調し、小便不利・尿閉・浮腫を呈する。
まとめ
三焦は水液代謝の通路であり、気機の通調と津液の運行に深く関わります。
弁証では気滞・湿熱・水道不利などが中心となり、実際の臨床では上・中・下焦それぞれの病変と関連づけて理解されます。
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