その他の病理パターン一覧★

臓腑弁証や八綱弁証、気血津液弁証などの基本的分類に加え、病理機転の特徴を強調した「総合的な病理パターン」も存在します。
以下は代表的なものの一覧です。


代表的な病理パターン

  • 中気下陥(ちゅうきげかん): 脾胃の気虚により気の昇提作用が弱まり、内臓下垂や慢性下痢を呈する。
  • 湿熱内蘊(しつねつないうん): 湿邪と熱邪が体内にこもり、黄疸・下痢・帯下・皮膚病変などを起こす。
  • 熱極生風(ねつきょくせいふう): 高熱によって内風が生じ、痙攣・けいれん・意識障害などを示す。
  • 陰虚火旺(いんきょかおう): 陰液不足により虚熱が強くなり、のぼせ・寝汗・五心煩熱を伴う。
  • 清濁分別失調(せいだくぶんべつしっちょう): 腎や膀胱の機能失調で、尿や津液の清濁を分けられず、浮腫や排尿異常を生じる。
  • 気随血脱(きずいけつだつ): 大出血時に気も一緒に脱し、突然の虚脱・意識消失を呈する。
  • 気不攝血(きふせつけつ): 脾気虚により血が脈外に漏れやすく、皮下出血・鼻血・月経過多などを引き起こす。
  • 肝陽化風(かんようかふう): 肝陽の過亢によって内風が生じ、めまい・震え・手足のしびれを示す。
  • 痰濁蒙竅(たんだくもうきょう): 痰濁が心竅をふさぎ、意識混濁・昏睡・精神症状を引き起こす。
  • 寒凝血瘀(かんぎょうけつお): 寒邪の停滞によって血行が阻滞し、刺痛・月経困難・血塊を伴う。
  • 陽気暴脱(ようきぼうだつ): 重篤な病態で陽気が急激に脱し、四肢厥冷・冷汗・意識消失などを示す。

まとめ

これらの病理パターンは、臓腑や気血津液といった個別の視点を超えて、病気の進展過程や複雑な病態を説明するために用いられます。
弁証論治を行う際は、基本の枠組みに加えて、これらの病理パターンを適切に組み合わせることで、より正確な診断と治療方針を立てることが可能となります。

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