血虚瘀滞とは

■ 概念

体内の血が不足するとともに、気血の流れが滞って瘀血が生じた状態。
血虚により栄養が全身に行き渡らず、瘀血によってさらに血行が阻害され、疼痛やうっ血などの症状が現れる。

■ 主な症状

• 局所の刺痛、固定痛、暗紫色の皮下出血や瘀斑
• 顔色萎黄、唇色淡い
• 月経不順、経量少、血塊を伴う
• 頭痛、めまい、肩こり、腰痛
• 皮膚乾燥、手足のしびれ、筋肉のこわばり
• 舌淡紫、瘀点、脈細・澁

■ 病機（病理）

血虚により血が栄養を行き渡らせられず、経絡・臓腑の気血循環が阻害される。
その結果、瘀血が生じ、血行障害による疼痛やうっ血症状を呈する。

■ よくある原因

• 慢性疾患や長期消耗による血虚
• 外傷や手術後の瘀血
• 産後・月経過多による血の損耗
• 脾気虚弱により血の生成が不十分
• 長期の精神緊張や過労による血行障害

■ 治法

補血活血・理気止痛

■ 代表方剤

• 四物湯（血虚の基本方）
• 血府逐瘀湯（血行阻滞による疼痛）
• 桃核承気湯（下焦の瘀滞による腹部症状）
• 桂枝茯苓丸（婦人科系の血瘀と血虚の併発）
• 当帰芍薬散（血虚と軽度瘀血を伴う腰痛・下肢痛）

■ 養生のポイント

• 過労・長時間労働を避け、休息を十分にとる
• 冷えや寒湿を避ける
• 鉄分や血を養う食材（黒豆、レバー、ほうれん草、ナツメ、竜眼肉）を摂取する
• 軽い運動で血行促進、ストレッチや散歩を習慣化する
• 出血や打撲後は早めにケアし、瘀血を防ぐ