清熱利耳とは

【概要】
清熱利耳とは、耳に鬱積した熱邪を清し、清竅を通じて聴覚機能を回復させる治法である。
耳は腎に属し、また胆・三焦・肝経と密接に関連するため、肝胆火盛・湿熱上擾などにより機能障害を起こしやすい。

熱邪が耳竅を犯すと、気血の運行が阻害され、耳鳴・耳痛・耳閉感・難聴などを呈する。
本法は、清熱・瀉火・利湿を中心に、耳竅の通利を図る。



主な適応症状

  • 耳鳴(高音・激しい)
  • 耳の痛み・灼熱感
  • 耳閉感・聴力低下
  • 耳だれ(黄濁)
  • めまい・頭重
  • 口苦・咽乾・煩躁


主な病機

  • 肝胆火盛:怒り・鬱火により火熱が耳竅を上擾。
  • 湿熱蘊結:湿と熱が結び、耳内に停滞。
  • 風熱犯耳:外感風熱が耳竅を犯す。
  • 三焦熱鬱:気機不利により熱が上焦に集積。

多くは実熱証であり、赤舌・黄苔・数脈を伴うことが多い。



主な配合法

  • 清熱利耳+清肝瀉火肝胆火盛による耳鳴・耳痛。
  • 清熱利耳+利湿湿熱型の耳閉・耳だれ。
  • 清熱利耳+疏風風熱による急性症状。
  • 清熱利耳+通竅耳閉感・聴力低下。


代表的な方剤

  • 竜胆瀉肝湯肝胆実火による耳鳴・耳痛。
  • 黄連解毒湯火熱内盛・煩躁を伴う場合。
  • 清上蠲痛湯:上焦熱による頭耳症状。
  • 消風散:風熱・湿熱による耳症。
  • 五味消毒飲:耳の腫痛・炎症が強い場合。


臨床でのポイント

  • 熱の所在(肝胆・三焦・外感)を明確にする。
  • 湿の有無を必ず確認する。
  • 慢性化例では実熱と虚熱の鑑別が重要。
  • 高齢者では腎虚との鑑別を行う。
  • 急性炎症期は清熱を優先する。


まとめ

清熱利耳は、耳竅を犯す熱邪を清し、聴覚機能を回復させる治法である。
肝胆火盛・湿熱上擾などの実熱証に用い、清熱と通竅を適切に組み合わせることが臨床効果を高める。

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