利耳目とは

【概要】
利耳目とは、耳と目の竅を通利し、聴覚・視覚の機能を回復・改善する治法である。
耳目はともに清竅に属し、肝・腎・心・胆・脾胃と密接な関係を持つ。

耳目の不利は、風・火・痰・湿・瘀などの実邪による閉塞、あるいは 肝腎不足気血虚弱による失養によって生じる。
本法は、これらを調整し、清明な感覚機能を取り戻すことを目的とする。



主な適応症状

  • 耳鳴・耳閉感
  • 難聴・聴力低下
  • 目のかすみ・視力低下
  • 眼精疲労・目の重だるさ
  • 充血・乾燥感
  • めまい・頭重


主な病機

  • 肝火上炎火熱が目・耳に上衝し、充血・耳鳴を生じる。
  • 痰濁上蒙:痰湿が清竅を塞ぎ、聴視覚が鈍る。
  • 風邪犯竅:外風が侵入し、一過性の不利を起こす。
  • 肝腎不足精血不足により耳目が滋養されない。
  • 気血両虚清陽不昇により感覚機能が低下。

多くは標に閉塞、本に虚損を伴う病態である。



主な配合法

  • 利耳目+清肝瀉火充血・怒りやすさを伴う場合。
  • 利耳目+化痰開竅耳閉・頭重・めまい。
  • 利耳目+補肝腎慢性耳鳴・視力低下。
  • 利耳目+養血目の乾燥・疲労感。
  • 利耳目+疏風外感風邪による急性症状。


代表的な方剤

  • 杞菊地黄丸:肝腎不足による目のかすみ・耳鳴。
  • 竜胆瀉肝湯肝胆火盛による充血・耳鳴。
  • 温胆湯:痰濁によるめまい・耳閉。
  • 明目地黄丸:視力低下・眼精疲労。
  • 川芎茶調散風邪による頭目不清。


臨床でのポイント

  • 急性か慢性かを明確にする。
  • 火か痰か、虚か実かを鑑別。
  • 耳と目を同時に診る。
  • 高齢者では肝腎不足を重視。
  • 単なる局所治療に留めない。


まとめ

利耳目は、耳目の清竅を通利し、感覚機能を正常化する治法である。
実邪の除去と同時に、肝腎・気血の補養を適切に行うことが、持続的な改善につながる。

0 件のコメント:

コメントを投稿