明目利咽とは

【概要】
明目利咽とは、目を清明にし、咽喉を通利して不快症状を改善する治法である。
目は肝に属し、咽喉は肺・胃・腎と関係が深く、風熱・虚熱・陰虚・痰熱などにより同時に障害されやすい。

目と咽はともに清竅であり、熱邪や燥邪が上焦に停滞すると、 目の充血・かすみ、咽痛・乾燥感・異物感などを呈する。
本法は、清熱養陰疏風を基本として、目と咽の機能回復を図る。



主な適応症状

  • 目の充血・かすみ・疲れ目
  • 視力低下・羞明
  • 咽喉痛・咽の乾燥感
  • 咽の違和感・異物感
  • 声がかすれる
  • 口渇・微熱感


主な病機

  • 風熱上犯:外感風熱が目と咽を同時に侵す。
  • 肝火上炎肝経の火熱が目に現れ、咽を灼く。
  • 肺胃熱盛:上焦に熱がこもり、咽痛・目赤を生じる。
  • 陰虚火旺津液不足により目咽が滋養されない。
  • 痰熱内蘊:痰と熱が結び清竅を阻滞。

多くは上焦熱証を主体とするが、慢性化すると虚証を伴う。



主な配合法

  • 明目利咽+清肝瀉火目赤・怒りやすさを伴う場合。
  • 明目利咽+疏風清熱風熱感冒初期。
  • 明目利咽+養陰咽乾・目の乾燥。
  • 明目利咽+化痰咽の異物感・粘痰。
  • 明目利咽+宣肺声枯れ・咽閉感。


代表的な方剤

  • 杞菊地黄丸:肝腎不足による目のかすみ・咽乾。
  • 銀翹散:風熱による咽痛・目赤。
  • 桑菊飲:軽度風熱・目の疲れ。
  • 清咽利膈湯:咽喉炎・咽部熱感。
  • 知柏地黄丸:陰虚火旺による慢性症状。


臨床でのポイント

  • 急性か慢性かを明確にする。
  • 熱の性質(実熱・虚熱)を鑑別。
  • 目と咽を別々に診ず、上焦として統合的に判断。
  • 慢性例では清熱一辺倒を避ける。
  • 声・目の使い過ぎの有無を確認。


まとめ

明目利咽は、上焦の熱や燥を調え、目と咽の清明を回復させる治法である。
清熱・養陰・疏風を適切に組み合わせることで、視覚・発声・嚥下機能の改善に寄与する。

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