安神調経とは

安神調経(あんしんちょうけい)とは、心神を安定させて精神状態を整え(安神)、同時に月経周期や衝任の機能を調整する(調経)治法を指します。
主に、情志失調や心神不安が関与して月経異常が生じている病態に用いられます。

月経は「肝・心・脾・腎」と密接に関係し、とくに情志の影響を受けやすい生理現象です。 精神的緊張や不安は気血運行を乱し、衝任の調節機能を障害します。 安神調経は、「神を安定させて気血を調え、経脈の運行を回復する」ことを目的とする治法です。


■主な適応病態

  • 情志失調による月経不調
  • 心神不寧を伴う月経異常
  • 肝気鬱結による経行不調
  • 心脾不和による月経不順
  • 月経前症候群(精神症状主体)


■主な症状の特徴

  • 月経不順・周期の乱れ
  • 経前の不安・イライラ・不眠
  • 胸脇の張り・情緒不安定
  • 経行腹痛・軽度の瘀血症状
  • 動悸・夢多・易驚
  • 舌淡またはやや暗、脈弦細


■代表的な配合生薬の働き

  • 安神薬:精神を安定させる
  • 養血薬:心血・肝血を補う
  • 理気疏肝薬:情志鬱結を解く
  • 調経薬:衝任の運行を整える


■代表的な方剤



■類似治法との違い

  • 調経活血:瘀血主体
  • 疏肝調経:気滞主体
  • 養血調経:血虚主体
  • 安神解鬱:精神症状主体で月経への直接作用は弱い


■まとめ

安神調経は、精神状態と月経調節機能を同時に整える治法であり、情志失調に伴う月経不順・経前症状・不眠などを総合的に改善することを目的とします。
心身相関を重視する婦人科治療の重要な治療原則の一つです。

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