情志不調とは

情志不調(じょうしふちょう)とは、怒・喜・思・憂・悲・恐・驚などの情志活動が過度または抑圧され、臓腑の機能失調を引き起こしている状態を指す中医学の病機です。
情志は五臓と密接に関連し、とくに肝の疏泄機能と心の神明活動に強く影響します。


主な原因

  • 精神的ストレス: 長期の緊張・不安・抑圧。
  • 感情の過極: 怒り・悲しみ・恐怖などの過度。
  • 環境変化: 人間関係・生活状況の急変。
  • 体質虚弱: 心血不足や肝気鬱結体質。

病理機転

  • 情志失調により肝気の疏泄が障害。
  • 気機の昇降出入が乱れる。
  • 気滞・化火・痰結・瘀血などへ進展。
  • 心神失養により精神症状が出現。

主な症状

  • 気分の落ち込み・不安
  • イライラ・怒りやすい
  • 胸脇苦満・ため息
  • 食欲不振・腹部膨満
  • 不眠・動悸

舌・脈の所見

  • 舌: 正常〜やや紅、苔薄
  • 脈: 弦、または弦細

関連する病機・証型


代表的な方剤

  • 逍遥散: 肝気鬱結に。
  • 加味逍遥散 鬱久化火に。
  • 柴胡疏肝散: 気滞主体に。
  • 帰脾湯 心脾両虚に。

治法


養生の考え方

  • 適度な運動で気機を巡らせる。
  • 感情を抑え込みすぎない。
  • 十分な睡眠と休養。
  • 香りのある食材(陳皮・紫蘇など)を活用。

まとめ

情志不調は、情志の過不足によって気機が乱れ、臓腑機能に影響を及ぼす病機です。
治療では疏肝理気を中心に、虚実寒熱を見極めた調整が重要となります。

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