上熱下寒とは

上熱下寒(じょうねつかかん)とは、身体の上部に熱症状が現れ、下部に寒症状が存在する、寒熱が上下で分離した病証を指します。
陰陽の不調和や気機の失調により、熱は上に偏在し、陽気は下に届かず冷えが生じる状態です。

この状態は、気の昇降失調陰陽の交通不利によって生じます。
本来、陽は下から上へ昇り、陰は上から下へ降りることで全身のバランスが保たれますが、このバランスが崩れることで、上部に熱、下部に寒が分離して現れます。

上熱下寒の特徴としては、次のような性質があります。

  • 寒熱錯雑(上と下で性質が異なる)
  • 上下分離(熱と寒が分断される)
  • 昇降失調(気の動きの乱れ)
  • 陰陽不交(心腎不交など)


主な原因としては、次のようなものがあります。


主な症状としては、上下で対照的に現れます。

  • 上部(熱):顔面紅潮、のぼせ、口渇、不眠、いらいら
  • 下部(寒):足腰の冷え、冷感、下痢、尿清長


舌脈の特徴としては、寒熱錯雑を反映して次のような所見がみられることがあります。

  • 舌質紅(上熱)胖大・湿潤(下寒)
  • 舌苔黄白混在
  • 脈弦数または脈沈遅(部位により異なる)


治法としては、上下のバランスを整え、陰陽の交通を回復させることを目的として、次のような方法が用いられます。


代表的な関連病証としては、次のようなものがあります。


このように上熱下寒は、気の昇降失調と陰陽の不調和によって、上部に熱・下部に寒が分離して現れる病証です。
そのため治療では、単に熱を冷ます・寒を温めるだけでなく、上下の連携を回復させること(交通させること)が重要とされます。

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