脾腎虚とは

脾腎虚(ひじんきょ)とは、脾と腎の機能がともに虚弱となり、運化・水液代謝・温煦などの働きが低下する病機を指します。
脾は後天の本として飲食物から気血を生み出し、腎は先天の本として生命活動の根本を支えています。この両者は密接に協調して働いており、どちらか一方が虚すると、次第にもう一方にも影響して脾腎両虚の状態へと発展することがあります。

特に水液代謝では、脾は水湿を運化し、腎は水液の蒸騰気化を行うため、脾腎虚になると水湿の処理能力が低下し、浮腫や下痢などの症状が現れやすくなります。
また、腎陽は脾陽を温めて消化機能を支えているため、腎陽虚が進むと脾陽も弱まり、消化吸収機能の低下が起こります。

主な原因としては、次のようなものがあります。

主な症状としては、次のようなものがみられます。

  • 慢性下痢・五更泄瀉
  • 食欲不振
  • 腹部冷痛
  • 浮腫
  • 腰膝酸軟
  • 疲労感・倦怠感
  • 冷え(特に下半身)

舌脈の特徴としては、次のような所見がみられることが多いです。

  • 舌質淡
  • 舌苔白滑
  • 脈沈弱

治法としては、脾と腎を同時に補い、温陽して運化機能を回復させることを目的として、次のような方法が用いられます。

代表的な関連病証としては、次のようなものがあります。

このように脾腎虚は、先天の本(腎)と後天の本(脾)がともに虚弱となることで、消化吸収や水液代謝が低下する病機です。
そのため治療では、脾のみ・腎のみを補うのではなく、両者の協調関係を回復させることが重要とされます。

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