七情不調とは

● 概念
七情不調とは、七情(喜・怒・憂・思・悲・恐・驚)の過度あるいは長期化により、気血の運行や臓腑の機能に失調をきたす状態を指す。
情志内傷とも呼ばれ、特に肝を中心とする気機の失調が病因となりやすい。


● 病因・病機
過度な感情刺激、心理的負担、持続するストレスにより、気の昇降出入が乱れ、気滞・気逆・気鬱・血瘀・痰火・火鬱などへ発展する。
臓腑では主に肝・心・脾が影響される。


● 主な症状
胸脇部の張り・胸苦しさ・溜息、多怒・イライラ、抑うつ傾向、不眠、動悸、健忘、食欲低下、腹脹、便秘、月経異常、頭痛、咽中梅核感など。


● 舌脈所見
舌:淡紅または暗紫、薄白苔、あるいは黄色膩苔
脈:弦、細弦、または滑数


● 治法
疏肝解鬱理気和中清心安神、寧神定志、化痰解鬱、活血化瘀


● 代表方剤
逍遥散、柴胡疏肝散、加味逍遥散半夏厚朴湯四逆散甘麦大棗湯抑肝散、丹参飲

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