東洋医学による不安感・パニックの弁証フローチャート

① 発症様式を確認

  • 急激な発作(パニック) → 実証(痰・気逆・肝)
  • 慢性的な不安 → 虚証(心血虚・陰虚)
  • 両方あり → 虚実錯雑(多い)

② 不安の性質

特徴 弁証
そわそわ・落ち着かない 心神不安・気虚
イライラ・怒り 肝気鬱結・肝火
恐怖・不安が強い 腎虚・心胆気虚
突然の発作 気逆・痰火
ぼーっとする不安 痰濁

③ 発作の有無(重要)

特徴 弁証
発作あり(動悸・息苦しさ) 気逆・痰火擾心
発作なし(持続的) 虚証中心

④ 誘因による弁証

誘因 弁証
ストレス 肝気鬱結
疲労 心脾両虚
驚き・恐怖 心胆気虚
睡眠不足 心陰虚

⑤ 随伴症状

症状 弁証
動悸 心虚・痰火
不眠 心血虚・陰虚
胸苦しい 気滞・痰
めまい 痰・血虚
疲労感 気虚

⑥ 四診との関連

所見 弁証
舌淡 心血虚・気虚
舌紅少苔 陰虚火旺
苔膩 痰濁
脈細 血虚
脈弦 肝鬱
脈滑

⑦ 主な弁証

【虚証】

心血虚(最も基本)

  • 特徴:慢性的な不安
  • 症状:不眠・動悸・健忘
  • 舌脈:舌淡、脈細
  • 治法:養血安神
  • 方剤:帰脾湯
  • 鍼灸:心兪・神門・三陰交

心陰虚

  • 特徴:不安+ほてり
  • 症状:寝汗・不眠
  • 舌脈:舌紅少苔
  • 治法:滋陰安神
  • 方剤:天王補心丹
  • 鍼灸:神門・太渓

心脾両虚

  • 特徴:疲れると不安
  • 症状:食欲不振・倦怠感
  • 治法:補気養血
  • 方剤:帰脾湯
  • 鍼灸:脾兪・心兪・足三里

心胆気虚

  • 特徴:驚きやすい・恐怖
  • 症状:臆病・決断できない
  • 治法:補気安神
  • 方剤:安神定志丸
  • 鍼灸:胆兪・神門

【実証】

肝気鬱結

  • 特徴:イライラ不安
  • 症状:胸脇苦満
  • 舌脈:脈弦
  • 治法:疏肝解鬱
  • 方剤:柴胡疏肝散
  • 鍼灸:太衝・内関

痰気鬱結(梅核気タイプ)

  • 特徴:喉のつかえ+不安
  • 症状:胸苦しさ
  • 舌脈:苔膩
  • 治法:理気化痰
  • 方剤:半夏厚朴湯
  • 鍼灸:中脘・内関・天突

痰火擾心(パニックの典型)

  • 特徴:発作・強い不安
  • 症状:動悸・興奮
  • 舌脈:舌紅、苔黄膩
  • 治法:清熱化痰・安神
  • 方剤:温胆湯・黄連温胆湯
  • 鍼灸:内関・神門・豊隆

【虚実錯雑】

肝鬱血虚

  • 特徴:不安+イライラ
  • 症状:月経異常・疲労
  • 治法:疏肝養血
  • 方剤:逍遙散
  • 鍼灸:太衝・三陰交

9 気虚

  • 特徴:ぼーっと+不安
  • 症状:倦怠感
  • 治法:健脾化痰
  • 方剤:六君子湯
  • 鍼灸:足三里・豊隆

⑧ 病機の整理(最重要)

  • 心 → 神を主る(精神の中心)
  • 肝 → 情志を調節
  • 胆 → 決断・勇気
  • 脾 → 気血の供給
  • 腎 → 恐れ(恐)
  • 痰 → 清竅を蒙る(思考を鈍らせる)

⑨ 鍼灸適応と治療方針

弁証 状態 治療
心血虚 不足 養血安神
陰虚 虚熱 滋陰
肝鬱 停滞 疏肝理気
痰火 興奮 清熱化痰
気逆 発作 降気

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