その他の治法

ここでは、特定の臓腑や病機に分類しにくいが、臨床で重要な治法を整理する。補助的に応用されることが多く、複雑な病証に組み合わせて用いられる。

代表的な治法分類と内容

1. 行気・消導

  • 行気止痛:気滞による胸脇・胃脘・少腹などの疼痛を緩解する。

  • 行気消積:気滞と飲食積滞が結合した場合に用い、積聚や食滞による膨満を解消。

  • 理気消積:行気と消導を兼ねて、消化不良・積滞と気滞の錯雑に応用。

  • 消食導滞:飲食不節による停滞を解消し、腸胃の運化を助ける。

2. 調和・総合調整

  • 調和衝任:衝脈・任脈を調整し、婦人科の月経不調・崩漏・不妊などに用いる。

  • 寒熱併治:寒熱錯雑証(例:上熱下寒、寒熱互結など)に対応する治法。

3. 補益・滋養

  • 養肝腎:肝腎不足に用い、腰膝酸軟・めまい・耳鳴り・精血不足などを改善。

  • 養血安神:血虚による心神不安、不眠・健忘・多夢に応用。

  • 養血清熱:血虚を補うとともに、虚熱や血熱を和解する。

4. 開竅・救急

  • 開竅救急:熱閉・痰閉などによる神志昏迷を醒解し、急症に用いる。

  • 止血救急:大出血・崩漏など危急証に対して速やかに止血する。

  • 益陰回生:陰液が急速に消耗した際、速やかに陰を回復させて危急を救う。


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