肝風(かんぷう)とは、肝の機能失調によって内風(内生の風)が生じ、動揺・震え・めまい・痙攣などの動的な症状を引き起こす病機を指します。
肝は疏泄を主り、筋を司り、血を蔵するため、その異常は気血の運行や筋の制御に影響し、風の性質である「動」「揺」「変化」を伴う症状として現れます。
肝風は外感の風とは異なり、体内で生じるものであり、主に肝陽上亢・肝火・陰虚・血虚などを背景として発生します。
そのため、単一の病態ではなく、複数の病機が関与して成立する複合的な概念です。
主な発生機序としては、次のようなものがあります。
主な症状としては、次のようなものがみられます。
- めまい・ふらつき
- 手足の震え(振戦)
- 筋肉のひきつり・痙攣
- 四肢のしびれ
- 頭痛(動揺感を伴う)
- 眼のけいれん・視覚異常
重症化すると、次のような状態がみられることもあります。
- 意識障害
- 強直・けいれん発作
- 中風様症状
舌脈の特徴としては、原因により異なりますが、一般的には次のような傾向がみられます。
- 舌質紅(陽亢・熱)または舌質淡(血虚)
- 脈弦・脈細数など
治法としては、風を鎮めることを中心に、原因に応じて次のような方法が用いられます。
代表的な関連病証としては、次のようなものがあります。
このように肝風は、肝の失調によって内風が生じ、動揺性の症状を引き起こす病機です。
そのため治療では、単に風を鎮めるだけでなく、その背景にある陰虚・血虚・陽亢・熱などを見極めて調整することが重要とされます。
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