「気血津液弁証(きけつしんえきべんしょう)」 とは、東洋医学において体を構成・維持する基本物質である 気・血・津液 の変化や失調をもとに病証を分析する方法です。
臓腑弁証と並び、臨床でよく用いられる重要な弁証体系のひとつです。
気・血・津液とは
気血津液弁証の内容
気・血・津液のそれぞれについて、主に「虚」と「滞り・偏り」の形で病証が現れます。
- 気の異常:気虚(だるい・声が小さい)、気滞(胸や脇の張り)、気逆(吐き気・咳)
- 血の異常:血虚(顔色が白い・不眠)、瘀血(刺すような痛み・月経血に塊)、血熱(出血傾向・赤い発疹)
- 津液の異常:津液不足(口渇・皮膚乾燥)、水湿(むくみ・痰)、痰飲(胸や胃に停滞し重だるさ)
診断方法
舌診・脈診・問診を通じて、気血津液の偏りを把握します。
例:舌が淡い+脈が虚弱 → 気血両虚。
舌に紫斑+脈が渋 → 瘀血。
舌苔が厚くぬめり+脈が滑 → 水湿や痰飲。
臨床的意義
- 病態を体の構成物質の偏りとして理解できる
- 臓腑弁証と併用することで診断の精度が高まる
- 治療方針(補気・活血・利水など)が明確になる
まとめ
「気血津液弁証」とは、気・血・津液という基本物質の失調を手がかりに病証を分析する方法です。
虚・滞・偏りの有無を見極めることで、適切な治療戦略を立てる重要な診断法となります。
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