東洋医学における病理分類

東洋医学では、病気の原因やからだの不調の状態を「証(しょう)」として分類します。
ここでは代表的な病理(病機)の分類を整理しました。


基本の虚実

  • 虚証:正気(からだの抵抗力)が不足した状態
  • 実証:邪気(病因)が強く、停滞・亢進している状態

気・血・津液・陰陽の失調

  • 気虚:エネルギー不足、疲れやすい、息切れ
  • 血虚:血の不足、顔色が悪い、めまい、不眠
  • 陰虚:潤い不足、ほてり、寝汗、口渇
  • 陽虚:冷え、むくみ、下痢、活力低下
  • 気滞:気の流れの停滞、張り、イライラ、胸や脇のつかえ
  • 血瘀:血の滞り、刺すような痛み、あざ、月経異常
  • 痰湿:余分な水分や粘液がたまった状態、めまい・胸のつかえ・痰
  • 湿熱:湿と熱がこもり、炎症や化膿、尿路や皮膚トラブル

外邪(六淫)による病理


複合パターン

  • 寒湿:冷えと湿の組み合わせ、関節痛や消化不良
  • 燥熱:乾燥と熱、のどや皮膚の炎症
  • 気血両虚:気と血の両方が不足、虚弱体質や慢性疲労
  • 陰陽両虚:陰も陽も不足、加齢や慢性病で起こりやすい

まとめ

東洋医学の病理分類は、からだの不調を「気・血・津液・陰陽」のバランスや「外邪」の影響からとらえ、それを整理して「証」として診断・治療につなげます。
これらの分類を理解することで、弁証論治(体質や症状に合わせた治療方針)の基礎が身につきます。

0 件のコメント:

コメントを投稿